宝瓶宮占星学 ―宝瓶宮時代のアストロロジー―

誤解されるホロスコープ
[基本の基 #01]
― 正しいMC=南中点の位置 ―

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宇宙の事実に即した実際の現実的なホロスコープ

●第1稿 : 2022年 7月28日アップ


奥義講座のための基本の基(き)です。

初回は、すべての基本となる「ホロスコープ作成ソフト」のお話です。

専門知識を必要とせず、出生データなど基礎データを入れることで、誰でも「ホロスコープ」を出力し手にすることができるようになりました。

その意味は、ソフトに不備があれば、そのあとの解釈や占断、またリーディングのすべてに狂いが生じます。

ここでは基礎の基本に立ち返って書いてみます。

《 正解のホロスコープはどれ? 》

次の3つのホロスコープをご覧ください。

正しいホロスコープはどれでしょうか。

ホロスコープ

よく見かける左端の「A」ですが、間違いでおかしいところがあります。

デザインは「ホロスコープ作成ソフト」によってそれぞれ異なりますが、デフォルト(初期値、初期設定)で出力されるのはだいたいこのタイプです。

正しいホロスコープは「B」もしくは「C」になります。

「C」は見やすいように「B」をハンドメイドで作成しなおしたものです。

One-Point ◆ 上掲のホロスコープは、シンプルな機能重視のデザインですが、プロ・ユースといっても過言ではない英語版のフリーソフト「ASTROLOG」です。オープン・ソースなので、いろんなかたがチェックしていて、修正やバージョンアップが繰り返された多機能なソフトです。


《 本物と偽物はどこが違う 》

間違い探しクイズです。

間違いの「A」と、正しい「B」は、どこが大きく違うのでしょうか。

お答えは、MC(Medium Coeli:メディウム・コエリ=南中点)の位置です。

MC=南中点は、「天頂」の代用です。

別名:ミッドヘブンと呼ばれることがあります。

天頂またMC=南中点は、その名のとおり、ご自分が生まれた出生地など占星地の頭上、真上なので地表に対して直角90度の位置でなければなりません。

ホロスコープで右に左にナナメることはなく、常に垂直なのが実際の正しいホロスコープです。

One-Point ◆ ASC=上昇点とMC=南中点を基準に、30度ずつ均等に12ハウス(室)を定めるのが、本来のハウスシステムです。プラシーダス、コッホ、レジオモンタナス、キャンパナスのすべてそうです。そのため、MC=南中点が正しくないと、ハウス(室)そのものが歪んでしまいます。


《 実際の「天頂」の位置 》




太陽の通り道である「黄道」(こうどう、おうどう)に沿って、ホロスコープで用いる星たちは動きます。

その黄道上の位置を写しとったのがホロスコープです。

日本で黄道は「天頂」にかかることはありません。

地球上のどこで生まれようと、天頂は真上で地表に対して垂直です。

日本の場合、北緯35度の明石市をはじめ、赤道に最も近い北緯24度の石垣島といえども、ギリギリながら黄道が天頂を通ることはありません。

そのため、星の動きと配置を写しとったホロスコープは、天頂の真南の黄道上を天頂の代理としてMC=南中点と呼んでいます。

MC=南中点と、その正反対に位置するIC=北中点の軸は、東の地平線上のASC=上昇点と、西の地平線上のDES=下降点の水平軸に対して、垂直に90度で交わります。

One-Point ◆ それを平面上に写しとったハウスシステムのホロスコープでは、必ず直角90度の位置関係になります。「ホロスコープ作成ソフト」のデフォルト設定は、そのようになっていないのです。


《 利便性に伴なう戦慄の弊害 》

パソコンの普及によって「ホロスコープ作成ソフト」は生まれました。

パソコンが普及しはじめたのは、1990年代中頃のWindows95あたりからです。

専門知識を必要とせず、出生データさえ打ち込めば、誰でも簡単にホロスコープを出力できるようになりました。

便利になったものです。

ですが、ホロスコープの基礎の基礎を学ばなくても、すばらしいホロスコープを手に出来ることから、昨今ではデフォルトで出力されたホロスコープで正しい「そんなものだ」と思っている占術師もいらっしゃるようです。

戦慄が走りました。

One-Point ◆ もっとも、プロであれば、ちゃんとしたホロスコープはどういうものかを知っています。「ホロスコープ作成ソフト」が登場する以前に、専門知識を持たれて、いちいち手計算でホロスコープを作成しておられた方ならとくにそうです。


《 ハウスシステムを用いる 》

では、ここでご質問です。

「ホロスコープ作成ソフト」のデフォルト出力は、なぜ間違っているのでしょうか。

お答えは、次のとおりです。

「ハウスシステム」を用いながら、サイン(宮)で出力しているからです。

当然ですが、「ハ・ウ・ス・シ・ス・テ・ム」なので、通常のホロスコープはハウス(室)をメインとしたものでなければなりません。

ところが「ホロスコープ作成ソフト」は、プログラム上の都合もあってか、はたまた現代占星術が持つ事実誤認や勘違いゆえか、12サイン(宮)のほうを30度ずつに表示するように設定されているからです。

One-Point ◆ そのためネットには、いびつなホロスコープが当然ようにアップされ、出まわっています。重要なことは、そのように12サイン(宮)に偏重したホロスコープを無意識にでも使い続けていると、知らないうちにズレた解釈になっていくことです。




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