宝瓶宮占星学 ―宝瓶宮時代のアストロロジー―

蟷螂窺蝉と占星術の象階
[基本の基 #06]
― 理論を伴なうことの重要性 ―

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太陽→ホロスコープ→根幹法則→その次に?

●第1稿 : 2022年 9月16日アップ


蟷螂窺蝉(とうろうきせん)という四文字熟語があります。

老荘思想に出てくるお話を熟語にしたものです。

「カマキリ、セミをうかがう」と読み下します。

一度は聞いたことがあるお話だと存じます。

「星占い」と「現代占星術」と本来の「アストロロジー」にも当てはまります。

《 蝉を狙う蟷螂を狙う鵲 》

蟷螂窺蝉(とうろうきせん)というのは、次のようなお話です。

一匹のセミ(蝉)が夏を謳歌しています。

見ると、カマキリ(蟷螂)が葉陰に潜んで、セミを捕食しようとしています。

そのカマキリを捕えようと、カササギが空を飛んでいます。

自分(荘周)はというと、先ほど自分を襲ってきたそのカササギを射止めようと、矢をつがえて弓を引き絞っているところです。

セミを狙うカマキリも、カマキリを狙うカササギも、目の前の獲物に夢中で、自身の身に迫る危険に気がついていません。

そこで荘周は「ハッ!」と気づきます。

自分も宮中の苑にいて弓矢を持ち、同じような立場に陥っているのではないか。

そう考えて弓矢を投げ捨て、その場から逃げ出した…というお話です。



One-Point ◆ 老荘思想を著した『荘子』の一節です。ゾッとした荘周は、「利と害とは互いに呼び合うのだ」と言うと弓矢を投げ捨て、身をひるがえして逃げ出しました。それを禁苑の番人が怪しんで追いかけ、彼を厳しく詮議したと続きます。

《 大同小異の星占いと占星術 》

ご自分の関心がある範囲しか視野に入らない、または話を聞いても理解できない、ということはよくあることです。

身につまされるお話です。

ここでは、「星占い」と「占星術」と本来の「アストロロジー」にたとえて、論旨を展開させていただきます。

太陽サイン(宮)しか用いない星占いを、現代の西洋占星術は、子供だましの占いのように見なしているのを聞いたことがあります。

いわく「星占いは太陽星座しか用いないため、一部にすぎず、占星術とは異なり、当たらないことがある」といったようなことです。

間違ってはいないのです。

ですが、首肯するのも釈然としないものを感じます。

なぜなら、現代占星術もまた同様だからです。

宝瓶宮時代の新しいアストロロジーからみると、そう見えます。

ホロスコープを用いてはいるものの、「12サイン(宮)」と「星」の解釈に偏重しており、ホロスコープ全体をリーディングしているとは言いがたいからです。

One-Point ◆ 「アスペクト」の解釈は部分的ですし、「12ハウス(室)」に対しては、ほとんど歯が立っていません。一部でしか占断していないのですから、ホロスコープ(出生天球図)を一人の人間としてみたとき星占いも占星術も大同小異になります。


《 占星術の知られざる陥穽 》

現代占星術にはさらなる根本的な弱点があります。

「ホロスコープ作成ソフト」で出力されたホロスコープは、最新科学に基づいています。

その一方で、解釈や占断には、客観的な論拠がなく、個々人の主観的解釈に頼らざるをえないという状態があります。

結果、正しいかどうか分からない過去の誰かの象意解釈をご参考に、今も未来も占断を繰り返さざるをえないからです。

今後、何十年が経っても主観的な解釈でもって続けるしかなく、試行錯誤をされていかれることでしょう。

One-Point ◆ 古代ギリシャに発祥した古典理論を捨てて、19世紀後半にはじまったのが現代占星術です。海王星の初期の象意に基づいて、いつかはホロスコープを読めるようになると“まだ見ぬ理想”を抱いているようです。

《 本来のアストロロジー 》

さて、冒頭の「蟷螂窺蝉」からいえば、本来のアストロロジーといえども、他人事ではありません。

それはあとで触れるとして、客観的な科学的論拠を持つのが本来のアストロロジーです。

Astrologyという単語には、アストロ(Astro=星、天体)+ロジー(-logy=〜論、〜学)ゆえに、どこにも“占い”という意味は含まれていません。

では、どのような科学的な論拠が本来のアストロロジーにはあるというのでしょうか。

物理科学がその理論になることはありえません。

なぜなら、物理科学がアンタッチャブルとする精神意識や心理面を含めて、ホロスコープは象意を見出してリーディングできるからです。

その一方で、最先端科学の「量子論」がようやく扉を開きつつある“波”の分野、すなわち時空を超えた見えざる波動エネルギーによる共鳴関係は、今後、大きなヒントをもたらすでしょう。

One-Point ◆ 量子論(量子力学)では、量子は“粒”であり“波”であるとされます。さらには「量子もつれ」などのように、時空を超えた共鳴関係が量子間に内包されていることが、すでに明らかになっています。ホロスコープもこれに類似しています。

《 根幹法則の次にあるもの 》

最先端のホロスコープ理論は、宇宙の根幹法則「基本三数」に見出せます。

「基本三数」とその展開である「数理法則」の12数理によって、12サイン(宮)、12ハウス(室)、12アスペクト(座相)、12プラネット(星)のすべての解釈が可能になるからです。

さらには、ホロスコープ自体の象意構造も明らかにできます。

そのため、「基本三数」を、まるでホロスコープの象意の扉のマスター・キーのようにして、ホロスコープのすべての秘密の扉を開くことができます。

重要なことは、個々に異なり、世界に2つと同じものがないホロスコープだということです。

ほかのホロスコープに適応させた象意解釈が、別のホロスコープにそのまま適合するとはかぎりません。

であるならば、根幹の本意を知って、ご自身で自由自在に適切な応用展開をされるほうが、二度手間にならず簡単だったりします。

One-Point ◆ 蟷螂窺蝉から申し上げますと、本来のアストロロジーもまた、さらに広い視野から自身を客観視して、理論に留まらないようにすることも考えなければなりません。そのヒントは「奥義講座」の最後にご説明を差し上げています。




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