宝瓶宮占星学 ―宝瓶宮時代の新しい西洋占星術―

★ 建国記念の日 特別編4 ★
占星学からみた20世紀日本
― 宝瓶宮時代への分水嶺 ―

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今回の「建国記念の日特別編」は現代版です。少し長めです。
先の「戦争」を含む20世紀の日本の「深層」をお届けいたします。
「通説」にはない宝瓶宮占星学の「星のディレクション」を交えたお話です。
良識的な見識者が語るように「戦後史観」が正しいとはかぎりません。

「太平洋戦争」に負けて「大東亜戦争」に勝った日本

●第1稿 : 2014年 2月11日アップ


現在の日本をとりまく国際関係を正しく理解するためには、正しい「歴史」を知ることが必要です。
正しい歴史を知るには、当時の「時代状況」を把握することが重要です。
その点、先頃、サッカー東アジアカップ日韓戦で、「歴史を忘れた民族に未来はない」としたバカでかい横断幕の内容そのものは正しいのです。
もっとも、どちらが歴史を知らないかは、政治主張をスポーツの場に持ち込む行動からみても、圧倒的に「ウリナラ」しか目に入らないほうに決まっています。
とはいえ日本も、「魚宮」の民族性ゆえに、お人好し的な自虐史観(M的史観)を信じ、善意の通じない隣国に善意で接してきました。
しかし、最近、中国や韓国が大々的に作為をもって激しく日本叩きをしてくれるおかげで、ようやく日本も正しい歴史認識に目覚めつつあります。
日本人は、ふだんはお人好しでも、非常時には崇高な「無私の精神」を発揮して、一致団結して国を守ることを彼らはいずれ知らなければなりません。
中韓は「反日」によって、自らの首を絞めていたことに気づく日がくるでしょう。
さて、「歴史」は勝者によってつくられた側面をもちます。
「日本は侵略国家」という戦後史観も同様です。
その点、宝瓶宮占星学は人類歴史の背後にある「星のディレクション」をリーディングできますので、時代の深層(真相)を知ることができます。
そこから見えてきた20世紀日本は、アメリカとの「戦争」には敗れましたが、宝瓶宮時代に向かう「歴史」には勝っていた事実があります。


冥王星の象意と「降格」の理由

●一部の西洋占星術では、冥王星は「ファシズム」を象わすとされます。
冥王星の発見が、イタリアのムッソリーニやナチスドイツのヒトラーが台頭してきた時代だったからです。
しかし、その見方は狭すぎます。
当時は、共産主義を含め、西洋列強による「世界覇権(植民地支配)」の時代でした。
ちなみに、冥王星の象意が変わったのは、宝瓶宮時代がはじまった1989年からです。
その象徴となった出来事が、2006年、冥王星がIAU(国際天文学連合)総会にて、「準惑星(矮惑星)」に降格されたことです。
当時、「冥王星よ再び(緊急版)」に書いたように、彼らが冥王星を「降格」したのではなく、冥王星の象意変化によって彼らが動かされたのです。
ちなみに冥王星は今後、「精神意識世界」の分野に、徐々に働きを強めていくことになります。

《 双魚宮時代と冥王星 》

20世紀日本を知るには、まずはお話を大きく、人類歴史のバックボーンからはじめなければなりません。
「数理法則とクオリアル・ワールド」にも関わる深いお話です。
歴史の大河は、プラトン年に基づく約2,160年(理論値)の「プラトン月」によって規定されます。
つまり、日本や世界が数々の戦争を闘った20世紀は、プラトン月でいえば「双魚宮時代」で、その最後の世紀にあたります。
「双魚宮時代」というのは、「対立二元論」を歴史パラダイムとする時代です。
世界や物事を二分化してとらえ、それらを対立するものとみなして、「優劣」をつける考えや行動が世界を支配していました。
具体的には、「思想」や「哲学」、また「宗教」です。
たとえば、「神と悪魔」、「善と悪」、「精神(霊)と物質(肉体)」、「吉と凶」、「支配と被支配」などです。
西洋占星術に詳しい方であれば、これが「魚宮」(双魚宮の現称)」の象意であることに気づくでしょう。
その「対立二元論」に基づいて、20世紀は、世界を二分する「究極の二元対立」が三度起こりました。
重要な歴史は、「数理法則」の「基本三数」によってそうなっています。
1914年にはじまった「第一次世界大戦」と、1939年にはじまった「第二次世界大戦」、それに続く実質の第三次世界大戦である「東西冷戦」です。
なぜ、このような「世界大戦」が三度も起きたのかというと、「双魚宮時代」を清算するためです。
知る人ぞ知る、1989年に「宝瓶宮時代」が正式にはじまりました。
そのときまでに、世界的(時代的)な「対立二元論」を解消しておかないと、次の新しいプラトン月(宝瓶宮時代)をスタートできないためです。
では、なぜ「三度」も起きたのかというと、宇宙この世界は「基本三数」に基づいているためです。
詳しいお話はテーマからそれますので省略しますが、「数理法則」によって貫かれた宇宙この世界は、「三数」に基づくプロセス展開によって成り立っているからです。
詳しくは、「数理法則とクオリアル・ワールド」伝授講座でご確認ください。
もう一つ、20世紀の重要な「星のディレクション」をご紹介しておきます。
それが、「冥王星」の発見です。
冥王星は1930年に発見されました。
ホロスコープでいえば、「蟹宮17度」の位置です。
当時、冥王星が何を象わしていたのかというと、「支配・被支配」の対立二元論を究極的に高める「覇権主義」や「世俗支配」、つまり20世紀の国際情勢となっていた「世界覇権」でした。

One-Point ◆ 「基本三数」を少しご紹介しておきます。宇宙を貫く「数理法則」の基礎をなす三数のことです。空間的には、この世界が「三次元」から成立しているように、物事はすべて「三数」を基本として展開されています。ごく簡単に申し上げますと、「1数=時間(意志)」「2数=空間(実体)」「3数=人間(関係)」です。やはり先の大戦でも、「第二次世界大戦」が、「2数=空間(実体)」にあたるために、最も現実的で過酷なものになりました。
※宝瓶宮時代の新しい宇宙観=「数理法則とクオリアル・ワールド」より解説。
※ご参考:「数理法則と宝瓶宮占星学


●20世紀は「世界覇権」の時代

●右の本文に書いたように、20世紀は西洋列強が「世界覇権」を求めた時代でした。
「東西冷戦」というのも、世界共産主義革命を狙う人類最後の「世界覇権」をかけた戦争でした。
彼らは、階級闘争の「労働者vs資本家」という対立二元論を掲げて、共産主義思想(資本論、マルクス史観)と、レーニンの革命によって、世界(歴史)は「武力革命」によってそうなると信じ込んでいたのです。
まだ見ぬ「共産主義ユートピア社会理想」を抱いた20世紀最後の「世界思想」、また「神なき宗教」が、彼ら共産主義の本質でした。

《 西洋列強のアジア蚕食 》

冥王星が、ホロスコープの12サイン(宮)の中で、最も対外的にパワーを発揮する(象わす)のは「獅子宮」と「蟹宮」です。
とくに、そのカスプ(Cusp=尖点)付近が最も顕著になります。
カスプ(Cusp=尖点)というのは、「象意の最も強い点」のことで、一部のハウスシステムを除いて、ハウス(室)やサイン(宮)の境界線、すなわちサイン(宮)がはじまる「0度」付近になります。
冥王星が「蟹宮」のカスプ(尖点:0度)付近をトランシット(運行、経過)したとき、さらには「獅子宮」のカスプ(尖点:0度)付近をトランシットしたとき、人類歴史に何が起きたのでしょうか。
「蟹宮」ジャスト「0度」のとき、「第一次世界大戦」が勃発しています。
1914年6月28日、「サラエボ銃撃事件」です。
次のサイン(宮)、「獅子宮2度」のとき、「第二次世界大戦」がはじまっています。
1939年9月1日、「ドイツ軍がポーランドに侵攻」し、直後にイギリスとフランスが、ドイツに宣戦布告をして西欧戦線に火がついたときです。
ちなみに、日米開戦は、その約2年後の1941年12月8日です。
アメリカ時間では、12月7日になります。
さて、「冥王星発見」にさかのぼること83年前、19世紀中頃の1847年から「世界覇権」のパワーを、冥王星は対外的に象わしはじめました。
どうしてそんなことが分かるのかというと、「数理法則とクオリアル・ワールド」に基づく「ホロスコープ原論」によって、そういったことがリーディングできるのです。
それは海王星が発見された翌年のことでした。
歴史的にみると、19世紀中頃というのは、西洋列強によるアジア植民地支配が盛んになった時期です。
分かりやすいように、当時のアジアの勢力図を掲載しておきます。


西洋列強のアジア蚕食


One-Point ◆ 現在のアジア諸国の国境線から地図をみると事実を見失います。ロシア、イギリス、フランス、オランダ、スペイン、ドイツ、アメリカなど、西洋列強(白人)によるアジア蚕食の時代でした。当時は「アジア」とは名ばかり、日本を取り巻く、そこかしこが、西洋列強が支配する土地だったのです。18世紀後半の産業革命による近代化後、白人優位の技術とキリスト教選民思想によって、その勢いは止まることなく、未開のアジア黄色人種を植民地と化し、奴隷化することが当然の時代でした。彼らは、競ってアジアを支配し、利権を手に入れようとしていたのです。


戦争に負けた「清国」の衰亡

●19世紀、広大な領土を持っていた「清王朝」が上図左です。
1636年に満州で建国し、モンゴルまで支配すると、360年ほどの隆盛を誇りました。
その清も、「日清戦争」に負けてのちは、数年でロシアに浸食され、日本を敵視した密約によってロシアは結局、旅順港まで南下してきます。
南は、イギリスやフランスの支配下におかれ、東の遼東半島は、ドイツが支配しました。
世にいう「三国干渉」の結果で、勝ったはずの日本は西洋列強に押し出されます。
そのような西洋支配のピークが、「日露戦争」の直前で、上図右の「20世紀初頭」です。
誰が見ても、次は日本という状態で、事実、ロシアとの戦争に至っています。

《 自己防衛に立つ日本 》

「20世紀初頭」の右図に、もはやアジア諸国の姿はありません。
かろうじて日本とタイのみが、姿をとどめています。
タイは、巧みな外交戦略で、日本を含め、英仏と敵対しない関係を築き、両者の緩衝地帯としての役割を果たしていました。
一方、日本は、地理的に極東に位置していたことが幸いしたのはもちろん、それ以上に、ペリー来航(アメリカの黒船)によって開国したことで、アジアの植民地化を目の当たりにし、明治政府は、いち早く西洋の文明を取り入れて、近代化に成功していたからです。
その背景には、庶民でさえ学問を学び、文字を読めた識字率の高さや、日本人の精神意識レベルがありました。
明治になって30余年、20世紀がはじまる直前と直後に、日本は、はるかに大きな国と戦争を行なっています。
それは、もし日本が負ければ、植民地化されてもおかしくない戦争でした。
まず、巨大な清国との「日清戦争」(1894-1895)に日本は勝ちます。
負けた清国は、西洋列強の草刈場も同然となり、右図「20世紀初頭」の勢力図のように、英仏独が侵出し、ロシアが南下することになります。
日本が負けなくても、もし戦争が長引いて、国力が疲弊してしまえば、日本も同じ立場になっていたのです。
これによって日本は、アジア人どうしで戦うことは、アジア植民地化を狙う白人にとっては好都合で、「アジア人どうしで戦ってはいけない」ことを悟ります。
結局、日本は、旅順まで南下してきたロシアと「日露戦争」(1904-1905)を戦わざるをえなくなりました。
ご存じのように、清国以上に広大な領土を持つロシアとの戦争にも、日本は勝ちました。
アメリカで行なわれたロシアとの戦後交渉はともかく、当時、黄色人種が白人に勝ったことは、大きな衝撃をもって世界に受け入れられました。
それは、その後の歴史を変えていくことになります。
アジアにおいても、白人の奴隷として植民地化されていた人々に、大きな勇気と希望を与えたのです。
さて、分かりやすく、たとえ話をしてみましょう。
日本は、亜細亜町のすみっこにある「小さな家」です。
そのころ、亜細亜町の家々は、札付きの「暴力的なグループ」に、つぎつぎと襲われて被害に遭い、虐げられ続けていました。
当時は、警察官もいない時代です。
韓国さんのように、歴史的に強いものに自らを委ねるしかない「家」はともかく、ふつうなら「自己防衛」を考えます。
当然、隣町の露西亜さんに勝っていた日本さんです。
それぐらいの気概は持っていました。
しかし、日本さん独りが、孤軍奮闘して大丈夫でしょうか。
町内の家々と協力して、「共同防衛」を図るのは、誰が考えても常識でした。
台湾、韓国はもちろん、東アジアの国々や民族と手を携えて、共に立ち上がれるようにしなければなりません。
世にいう「大東亜共栄圏」構想がこれにあたります。
アジアの人々を啓蒙し、解放して、独立と近代化をうながすことです。
実際、台湾や韓国に、日本は自らの資金や技術を供与して近代化し、教育や医療や衛生化をもたらしています。

One-Point ◆ 宝瓶宮占星学からみて、日本が清国とロシアに勝てた理由があります。当時は「双魚宮時代」ながら「宝瓶宮時代」の影響圏にありました。「時代」の流れにそったものが、時代と共鳴して「天運」を得ていくのは道理です。「日本は何座宮?」や「占星学と解く古代史」に書いたように、日本の民族性は「魚宮」で、国体は「水瓶宮」です。「双魚宮時代」においても、また「宝瓶宮時代」においても、日本には「天運」が伴うのです。


●ルーズベルトとスターリン

●ルーズベルト大統領(左=アメリカ)
スターリン最高指導者(右=ソビエト)
見た目は人がよさそうなスターリンですが、かなりの老獪です。
ルーズベルトは、スターリンを共に闘う友人かのようにみていましたので、共産主義の本質を見誤って接していたといえます。
中国の共産主義革命の次は、日本の共産主義革命を成功させ、世界を支配することをスターリンは狙っていたからです。
それはスターリン個人の考えというよりも、共産主義者(マルクス・レーニン主義者)なら、「歴史の帰結」として当然、信じていたものです。

《 本当の「戦争犯罪人」 》

お話を第二次世界大戦に移します。
戦争勃発後、ヨーロッパでは、機動力に優れた戦車による機甲師団を有するドイツ軍が連戦連勝の勢いをみせます。
一方、アジアでは、日本軍が破竹の勢いで、西洋の植民地支配と戦い、東アジアを席巻し解放していきました。
ここで重要なことは、日本は、韓国とも、またアジア諸国とも戦っていないことです。
日本が戦ったのは、東アジアを植民地支配していた西洋列強と、そして当時の中華民国のみです。
戦時下なので、東アジア地域に日本は当然「軍政」を敷きます。
しかし、西洋諸国のように、植民地化したり、奴隷化はせず、現地の人々を教導し、管理職や指導的立場にも取り立てて、協力して近代化を推し進めていったのです。
開戦後すぐ、タイは日本と同盟を結びました。
また、戦時中、日本によって独立したビルマも、日本と同盟を結んでいます。
「ビルマ国民軍」や「インド国民軍」は、日本軍とともに、「西洋列強」や「中華民国国民党軍」と戦いました。
アジア諸国と戦ったのは、西洋諸国や中華民国(当時の中国)のほうなのです。
さて、ヨーロッパでのドイツ猛攻と、アジアでの日本進攻に、強い危機感を抱いたのが、ヨーロッパではイギリスのチャーチル首相で、アジアでは中華民国国民党の蒋介石主席でした。
彼らは期せずして、二人とも、アメリカに参戦をするよう、何度も要請しています。
しかし、第二次世界大戦勃発直後の1940年に、「戦争はしない」といって大統領に再選していたルーズベルトは、自分からは動くことができません。
彼は、ナンバー2であるハル国務長官と図り、日本から先に、アメリカに戦争を仕掛けるように謀ります。
それが、アジアからの「全面撤退」と「孤立化」を日本に迫った「ハル・ノート」です。
その要求は、アメリカによる「最後通牒」どころか、戦後、その内容を知ったアメリカの識者や政治家も驚いたように、実質は「宣戦布告」に等しいものでした。
なぜなら「ハル・ノート」の内容は、西洋列強によるアジアの植民地化を認めさせるもので、また日本を丸裸同然の手足のない「ダルマ」にして、日本の植民地化をうながすに等しい要求だったからです。
つまり、アメリカは、日本に座して「植民地化」されるのを待つか、それとも「戦争」をするか、究極の選択を突きつけたのです。
結果、死中に活を求めて、窮鼠猫をかむような大日本帝国連合艦隊による「真珠湾奇襲攻撃」が行なわれます。
ですが、これにはさらなる重大な事実があります。
当時、アメリカ軍は日本の無線を傍受し、暗号までも解読し、連合艦隊の動きや位置、またハワイ攻撃の日時を知り、極秘にルーズベルトに報告していました。
それを握りつぶし、キンメル太平洋艦隊司令官にも、ハワイ部隊のショート司令官にも知らせず、ハワイの自国民を無防備のまま放置し、日本の奇襲にさらされるよう犠牲にしたのがルーズベルトです。
のちの「ヤルタ会談(ヤルタ密約)」においても、ルーズベルトは日ソ不可侵条約を結んでいたソ連を参戦させるために、ソ連に「北方四島」を奪うことを黙認しています。
その後、ルーズベルトは、戦争末期の4月に没します。
あとを継いだトルーマンは、ご存じのように、二度にわたる日本への「原爆投下」を許可しました。
アメリカにも言い分があることは分かります。
ですが、どちらに「人道に対する罪」が適応されるかは明白です。

One-Point ◆ さて、「天運」を持つはずの日本が、なぜアメリカに敗れたのでしょうか。答えは、アメリカも日本と同じように「水瓶宮」の国体を持っているからです。それだけではなく、日本はどちらかというと「精神面」に働きますが、アメリカは「現実面」に働きます。世界の「自由民主主義体制」を守る「天命」を持つことが、アメリカの国に該当する3つのサイン(宮)から分かります。なので、日米間の「戦争」においては、アメリカが勝たざるをえませんでした。しかし、日米が戦ったのは、ルーズベルトの時代のみです。戦後は「日米同盟」によって、世界最強の「天運と天命」を持つタッグを組んでいます。


●吉田茂-戦後の宰相

●第45代、第48〜51代の内閣総理大臣を務めています。
GHQ統治下の戦後日本のかじ取りを行ないました。
1951年9月8日に、サンフランシスコ平和条約を締結し、日米安保条約にも調印しています。
それによって翌年4月28日、日本は占領下からの独立を果たすことになりました。

《 吉田茂の経済路線 》

さて、戦後の日本に移ります。
GHQによる日本統治がはじまった5年後、「朝鮮戦争」が起こります。
1950年6月25日、ときに韓国動乱や朝鮮動乱と呼ばれることがありますが、マルクス史観の学者や左翼マスコミが事実を矮小化してどう呼ぼうと、明らかに共産主義による世界共産化への武力革命戦争でした。
実態は、北朝鮮と韓国の戦争に留まらず、「共産主義=中国・ソ連」対「自由民主主義=アメリカ」の戦いだったのは、証拠となる事実が示すところです。
マッカーサー元帥は、当時、日本に「再軍備」を打診します。
しかし、時の吉田茂首相は応じません。
当たり前です。
GHQによって押し付けられた「日本国憲法」によって、防衛以外の戦争はできないと定められていますので、仕方がありません。
このとき、吉田茂の狙いは、ただ一つ、経済力をつけて「戦後復興」をすることでした。
太平洋戦争(=大東亜戦争)の終盤、アメリカはすさまじい物量をギリギリまで投入したのに対し、日本は経済的にも資源的にも枯渇して、戦争に負けたことをよく知っています。
一にも二にも、まずは経済力をつけることが第一で、再軍備によって軍事費に予算をとられていたのでは、いつ復興できるか分かりません。
「軍事面」はアメリカに委ねつつ、日本はただひたすら「経済面」での復興を目指すという大きなレールを敷いたのが吉田茂です。
それを継承したのが、「吉田学校」の生徒たちで、「国民所得倍増計画」で知られる池田隼人や佐藤栄作による高度経済成長でした。
結果、「東西冷戦」を戦ったソ連とアメリカは、「核ミサイル」を中心とした激しい軍拡競争によって、膨大な軍事費支出を強いられたのに反して、日本はたちまちアメリカに次ぐ世界第2位の経済大国に復興しています。
「日本がNo.1も同然だ」とまでいわれた1970年代後半から1980年代のことです。
当時のゴルバチョフ大統領(ソ連)は、「第二次世界大戦の真の勝者は日本だ」とまで語り、レーガン大統領(アメリカ)もこれに同意しています。
宝瓶宮占星学からいえば、日本がこのように経済発展ができたのは、1947年5月3日に施行された「日本国憲法」によって、日本の「現体制」を象わすサイン(宮)が「牡牛宮」に変わったからです。
西洋占星術に詳しい方なら、牡牛宮が「生活の安定」や「経済(財政)」を象わすことをご存じでしょう。
ちなみに、明治維新以降、敗戦までの日本の「現体制」は、1890年11月29日の「大日本帝国憲法」の施行によって「射手宮」で象わされます。
こちらも、射手宮が「海外」や「発展拡大」を象わすことはご存じでしょう。
事実、明治の日本は、「文明開化」や「和魂洋才」によって広く海外から学んで発展し、その後も、広く海外とかかわっていきます。

One-Point ◆ もう一人、戦後の首相で忘れてならないのは、「日米安保条約」を改定した岸信介です。もし、左翼が行なった少人数にもかかわらず、「朝日新聞」をはじめとする左翼偏向マスコミが大々的に取り上げた「安保反対」を受け入れていたら、日本は北朝鮮や中国のように共産化されて、ソ連もしくは中国の傀儡独裁政権のもと、現在の北朝鮮や中国をみても分かるように、今のように豊かで自由な暮らしは、できているはずもありません。


中国が「覇権主義」に出る理由

●中国は「冥王星」に共鳴する「蠍宮」を「民族性」に持ちます。
それだけなら問題はないのですが、いまだに双魚宮時代の「対立二元論」に基づく旧い国家体制「共産党一党独裁体制」の国家なので、時代錯誤も甚だしく「覇権主義」に出ています。
時代の流れは、もはや「覇権主義」ではなく、「共存共栄」の宝瓶宮時代がはじまっています。
そこに時代の運勢が伴うのです。
「覇権主義」は近々、続けられなくなりますので、そのとき中国は、「自滅」か「崩壊」に向かわざるをえません。

《 歴史に勝った日本 》

最後に、重要な事実を書いて終わります。
日本はアメリカと戦った「太平洋戦争」に負けたのは事実です。
しかし、日本が望んだのは、「アメリカとの戦争」ではなく、「アジアの安全」です。
西洋列強の脅威から、アジアの周辺国を含めた安全を確保し、植民地化を防いで、独立を維持することでした。
もし、そうでなければ、東アジア方面への展開は最小限にとどめて、太平洋を主戦場としてアメリカと戦えばいいわけです。
東アジアの奥深くまで、わざわざ戦線を広げる必要はありません。
しかし、日本の真の戦争目的は、東アジアの安全です。
いわば、東アジアの人々の解放で、それは宝瓶宮時代への歴史の流れとも一致していました。
それゆえ日本は、東アジアに進攻して、アジアを植民地としていた西洋列強をつぎつぎと追い出して、アジア地域や人々を解放していきました。
敗戦によって、日本が現地から引き上げると、アジアの人々は立ち上がります。
アジア黄色人種でも、充分に白人と「戦える」ことを日本(人)によって知った現地の人々は、西洋列強が再び植民地支配することを拒んだのです。
中には、インドネシアのように、敗戦後も日本兵が現地に残り、ともに西洋と戦って、ついには独立を勝ち取ったケースもあります。
これらが戦後、アジア諸国が次々と独立を果たしていった理由です。
この瞬間が、日本が戦争目的を達成して、「アジアの安全」を確保できたときでした。
結局のところ、日本は「太平洋戦争」には負けましたが、アジアにおける「大東亜戦争」つまり人類解放(宝瓶宮時代)に向かう戦争には勝っていたのです。
西洋からみて、日本が「第二次世界大戦の真の勝者」といわれる理由がここにあります。
このような歴史の大義を、当時、日本人にも世界にも知らせたくないのがGHQ(連合国総司令部)でした。
彼らは日本統治下、先の戦争を「大東亜戦争」と呼ぶことを徹底的に禁止します。
「太平洋戦争」と呼ぶように指示します。
日本が西洋植民地支配と戦った正義(大義)の戦争ではなく、「アジア侵略」をした日本をアメリカが出てきて懲らしめた戦争と位置づけて、日本に「負け犬根性」を植え付け、二度と欧米に立ち向かわないようにしたのです。
しかし、台湾をはじめ、東アジアの国々は、日本がはるかに巨大な西洋列強と戦って、原爆まで落とされる大きな犠牲を払いながらも、自分たちを植民地支配から解放し、それゆえに自主独立できたことをよく知っています。
歴史の皮肉は、現在、終戦直後に「中華民国国民党」を追い出して国を奪った中国共産党の「中国」が、かつての「西洋列強」よろしく、日本や東アジアに「覇権主義」をむき出しにしていることです。
ちなみに、韓国は敗戦後に「光復」しますが、日本軍としてともに戦って負けた「くやしさ」と、敗戦国側に立ちたくないホンネがあります。
強いものになびく「民族性」から、現在、自国だけでは日本に勝てないために、アメリカや中国の威を借りようと、歴史の事実を捻じ曲げて、逆に世界に醜態をさらし続けています。

One-Point ◆ 今後、21世紀前半は、「日本の世紀」になります。それは、あと10年を経ずして、冥王星が今度は「精神意識世界」に最高度の影響力を発揮(象わ)しはじめるからです。そのとき、「傲慢」や「自尊自大」にならなければ、という条件つきですが、宝瓶宮時代の「天運」を有している、すなわち「魚宮」の民族性によって「無私の精神」を持ち、「水瓶宮」の国体によって「和の精神」を持つ日本人の精神意識が、世界に認められ広がっていく時代がはじまります。



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