宝瓶宮占星学 ―宝瓶宮時代の新しい西洋占星術―

勝負師「トランプ」の真骨頂
― トランプで世界はどう変わる 2 ―

HOME政治情勢を読み解く > 勝負師「トランプ」の真骨頂

先に掲載した「トランプで世界はどう変わる?」の第2弾です。
アメリカ大統領の影響力は大きいので、答えはトランプを知ることです。
彼のホロスコープと星のディレクションにそのヒントがあります。

昨今の「火星」と「天王星」の動きがトランプを動かす

↑ マイケル・フリン元国家情報局長。
トランプ政権下で安全保障担当補佐官に任命されます。


●第1稿 : 2016年12月12日

大統領選挙期間中もそうですが、トランプのイメージは、マスコミによって必要以上にあやまって伝えられました。
要は、ヒラリーびいきの米大手マスコミがそう報道し、日本のマスコミも検証せずに乗っかってニュースを流したからです。
本当のトランプは、少し異なることがホロスコープ(出生天球図)からわかります。
また、昨今のディレクションからも、一気に「勝負」に出るようです。

《 大統領選挙での「勝負師」面 》

まず、大統領選を簡単にふりかえってみましょう。
当初、有力な政治家の候補者の中で、政治経験がなく、軍隊経験もないトランプは、すぐに消える「泡沫候補」といわれていました。
それが、予備選での共和党指名選挙に勝ち抜きます。
さらには、本選でも元ファースト・レディで元国務長官でもある民主党の代表候補ヒラリー・クリントンにも勝ち、ついには弟45代アメリカ大統領に選出される運びとなりました。
なみの戦い方では、政治経験もない「泡沫候補」が、このように勝ち抜くことはできません。
冷静な現状分析と、話題づくりをふくめた綿密な計算にもとづいたトランプらしい、いわゆる「奇策」にもみえる手によって、「負けず嫌い」のトランプが勝ったのです。
この結果だけを客観的にみても、トランプが「勝負師」であることがわかります。
マスコミ報道に惑わされずに、トランプの選挙戦術をみてもそういえます。
それは、トランプのホロスコープ(出生天球図)からも読みとれます。
ちなみに「ギャンブラー」と、ここでいう「勝負師」は異なります。
ギャンブルは、命を賭けることもありますが、お金を賭けたイチかバチかの「遊び」で、勝った負けたのいわゆる遊興、娯楽です。
ここでいう「勝負師」は、冷静な判断と意表をつくアイデアによって、確実に勝ちにいく匠(たくみ)のことです。
それが“常識ハズレ”にみえたために、常識人を気取るマスコミからみれば、“真意”を理解できなかったのです。
というか、トランプを“非常識”な人間かのように、あえてヒラリー側のマスコミが虚偽ともいえる過剰報道をしました。
つまり「勝負師」というのは、どんな“戦さ”であれ、勝つための戦術をもって冷静に戦う人のことです。

One-Point ◆ 『孫子の兵法』には、次のように書かれています。「およそ戦いは正をもって合し、奇をもって勝つ」。ここには「正をもって勝つ」とは書かれていません。正攻法は、有利な立場での戦い方で、トランプのように「泡沫候補」といわれる不利な立場の場合、奇襲や奇策をもって戦うしかなく、その“奇策”が、投票者の支持をえるものでなければなりません。事実、トランプは状況をみすえ、冷静な判断によって、そのようにアピールしました。


《 トランプのホロスコープ(出生天球図) 》

すでに「レクチャールーム」や「トランプで世界はどう変わる?」に掲載したものですが、トランプのホロスコープ(出生天球図)を再掲しておきます。

トランプのホロスコープ(出生天球図)

トランプのホロスコープ

One-Point ◆ トランプのホロスコープ(出生天球図)からは、「勝負師」の資質がみてとれます。代表は、上昇星の「火星」です。ただこれだけだと、猪突猛進になりかねません。なので現実社会を冷静に判断する星が必要です。それが「土星」と「MC」(Medium Coeli メディウム・コエリ=天頂:南中点)を底辺とし、「月」を頂点とする「YOD」(ヨッド=60・150・150)です。これに「太陽」と合(コンジャンクション=0度)の「天王星」はもちろん、「木星」の「調停」(メディエーション=60・120・180)の座相を持つことによって、常識にとらわれない奇策や改革力を発揮していくことがわかります。トランプは一見、非常識にみえる政策を冷静な判断からアピールしています。このことを見抜けるかどうかが、トランプの評価を正反対に変えます。


《 トランプの大統領就任式 》

大統領選に勝利したトランプは、来年2017年1月20日(現地時間)に行なわれる大統領就任式をもって、正式に第45代アメリカ大統領に就きます。
式は、ワシントンDCで正午からはじまる予定です。
ご参考に当日のホロスコープを掲載しておきます。

参考:大統領就任式(2017/01/20:現地時間)のホロスコープ

米大統領就任式のホロスコープ

One-Point ◆ 大統領就任式がはじまる正午は、天王星を「上昇星」とし、出生時の太陽に「天王星」の合(0度)をもつトランプを象徴しています。多々、書くべき内容はありますが、一つだけご紹介しておきます。牡羊宮のASC(上昇点)と上昇星の天王星に、土星が上三分(120度)を投げかけていることが、トランプが現実主義の政策をとることを示唆しています。さらには、大統領選挙(2016/11/08)に勝利した翌日から「火星」と「天王星」の交歓(ミューチュアル・リセプション)がはじまりましたが、大統領就任式の翌日(2017/01/21)からも「火星」が牡羊宮の影響圏に入り、すでに牡羊宮をトランシットしている「天王星」とともに、トランプに「星のディレクション」を投げかけます。詳細は後述しますが、これらからはトランプは“神ってる”といえます。


●安倍首相とトランプ氏の会談

大統領選勝利の9日後、トランプと安倍首相はいち早く会談し、「日米関係」の親密さを世界に発信しました。

《 選挙戦勝利の「勢い」にのる 》

次に、トランプが当選後、みせている「勝負師」の一面に触れておきます。
まだ大統領に就任していない昨今です。
トランプは、安倍首相との直接会談はもちろん、中華民国(台湾)の蔡総統との異例の電話会談をはじめ、フィリピンのドゥテルテ大統領をはじめとした、世界50か国以上の首脳と、ペンス次期副大統領とともに電話協議を行ないました。
現職のオバマ大統領が在職中にもかかわらずです。
この電光石火も、勝負師「トランプ」の真骨頂です。
双子宮生まれ(太陽)で射手宮の「月」をもつトランプは、興味の対象を次々と追い求めます。
なので、大統領に当選して、新たな「オモチャ」を見つけたようなものです。
上述の「勝負師」の生き方とともに、一段落するか飽きるまでは、多様な「手」をみせながら一直線に進んでいきます。
ときに困難にぶつかることがあるかもしれません。
ですが「火星」が上昇星のトランプは、困難こそ大好物で、さらに燃え上がり「勝つ」ことを目的としていくタイプです。
もちろん、冷静な情勢分析と、得意の奇手や妙手をまじえてです。
大統領就任前にもかかわらず、次々と各国首脳と電話協議を行なうのは、トランプの場合、戦術的です。
わかりやすく『孫子の兵法』から引用します。
次の2節が該当します。

  1、「よく戦う者は、これを勢いに求めて、人にもとめず」(兵は勢いなり)
  2、「敵を知り、己を知れば、百戦して危うからず」

後者は、だれもが知っている有名な一節です。
「敵を知らず、己を知らざれば、戦うごとに必ずあやうし」と結語します。
もはや、説明の必要はありません。
表向きは「よろしく」というあいさつですが、直接お話をすることで、人となりや意向を見抜いて、大統領就任後の「戦略」に役立てるものです。
重要なのは、前者の「兵は勢いなり」です。
大統領選挙に勝った余韻が冷めないうちに、「勢い」をもって電光石火で行なうことで有利になります。
それを可能にする星のディレクションが、現在、トランプに働いています。
水瓶宮の「火星」と牡羊宮の「天王星」の交歓(ミューチュアル・リセプション)がそれです。
トランプが生まれもつ上昇星の「火星」と、出生時の太陽に合(0度)の「天王星」は、いずれもトランプを象徴する星です。
その両星が、トランシットによって交歓(ミューチュアル・リセプション)をとる現在2016年11月9日〜12月19日は、トランプ自身が星のディレクションによって勢いづき、生まれもつ運勢とともに果敢に進んでいく時期になります。

One-Point ◆ これには続きがありますが、それは後述いたします。トランプの勝利後、ただちに直接会談をトランプに申し込んだ安倍首相は、その点では“飛んで火にいる夏の虫”です。ですが、それ以上に、受けたトランプをふくめて、「日米関係」の親密さを世界的にアピールしました。この点では“ファイン・プレー”です。「トランプで世界はどう変わる?」に書きましたように、両者の思惑は必ずしも一致するものとはなりませんが、お互いの交渉力がカギで、どちらに出るかは今後の関係次第です。


《 「平和主義」オバマと「勝負師」トランプ 》

果敢に進んでいくトランプですが、情勢が変われば、「さっ」と方向転換をしていく冷厳な判断力もあります。
トランプのホロスコープ(出生天球図)からは、「果敢さ」と同時に、現実主義者の一面が読みとれます。
慎重に社会の動きをみる「感性」や「判断力」を持つのです。
さらには、ビジネスできたえた「交渉力」があります。
そういった「勝負師」としての「戦い方」や「見識」の面では、オバマ大統領とは雲泥の差があります。
たとえば、2013年当時、オバマは「自己保身」を図り、歴史的に致命的なミスを犯しました。
当サイトの「2014年の国家ディレクション」の記事中、「アメリカへのディレクション」の項に次のように書いたとおりです。


引用 : シリアへの攻撃が行なわれるかどうかわからない現時点(2013年9月20日)ですが、アメリカは楽観的な判断に傾いており、未だ攻撃を躊躇しています。
昨今の星のディレクションからいっても、戦いの常道からいっても「宣言」したらすぐ攻撃しなければ効果が薄いのは当然で、他に狙いがあったのならともかく、「宣言」して躊躇するオバマはマヌケです。


失礼ながら、現職のアメリカ大統領閣下に対して、「マヌケ」とまで書かざるをえないほどの大失策でした。
世界に冠たるアメリカ大統領が、自ら「化学兵器を使えばシリアを攻撃する」と宣言しておきながら、「アメリカは世界の警察官ではないことに同意する」と述べて、化学兵器を使って無差別に自国民を虐殺するシリアへの攻撃を取り下げたのは、その後の国際情勢を変えました。
このようなオバマの姿勢をみて、IR(イスラム原理主義集団)が勢いを増したのはもちろん、プーチン・ロシアがこれ幸いとクリミア併合に乗り出し、習近平・中共が一気に南シナ海への覇権活動を強めました。
アメリカの“凋落”と世界の“混乱”のはじまりです。
これらに対して、オバマは、声明だけで何一つ有効な手を打てないどころか、当初、まるで容認するかのような姿勢さえみせて、いっそう世界の混乱を深めさせたまま、今日に至ります。
今では、多くの識者がこのことを指摘していますが、オバマの歴史的なミスであることに変わりありません。

One-Point ◆ 同盟国や自由主義陣営からも、オバマに対して「弱腰」、「言うだけ番長」と揶揄する声が聞かれるようになったのです。一方、トランプは、大統領選挙の「勝ち」に乗じて、果敢に各国首脳との関係の修復に乗り出し、信頼回復を図ろうとしています。“平和”を標榜して負けたオバマと、それを取りもどすべく勝ちにいく勝負師「トランプ」。たしかにオバマは“いい人”ですが、国際外交においては、単なる“いい人”や“平和主義者”は逆効果です。第2次世界大戦のキッカケとなったドイツ帝国のポーランド侵攻を容認することになったチェンバレン(英首相)の“宥和政策”(平和主義)が、かえって世界大戦を招いた歴史的事実があることを理解しなければなりません。


●マティス元中央軍司令官

トランプ政権で国防長官に任命されるジェームス・マティス元中央軍司令官。
海兵隊大将を歴任し、マスコミは“狂犬”とあおるが…。

《 南シナ海をめぐる勝負は? 》

日本にかかわりますので、中国の南シナ海への覇権侵出にふれておきます。
中国は南シナ海を自分たちの領土だとウソを主張し、着々と軍事拠点化しているのは、アメリカの偵察衛星の画像からもあきらかです。
オバマは当初、中国の主張や侵出を容認していました。
危機感を抱いた米軍事関係者は、何度もオバマに中国の南シナ海への侵出を阻止すべく作戦を提案します。
しかし、オバマはそのたびに留保し、GO!を出しませんでした。
ところが、習近平との3回めの米中首脳会談(2015/09/25)のおり、約束を守らず、言を左右する習主席に完全にナメられていることを悟ったオバマは、獅子宮生まれ(太陽)でプライドが高いことからも内心、ついにキレます。
それ以降、「自由の航行作戦」にGO!を出す方向に動いたのです。
遅すぎるといってもよいギリギリのタイミングでした。
初回の実施は、約1か月後の2015年10月27日(日本時間)です。
誘導ミサイル駆逐艦「ラッセン」を中国が軍事基地化をすすめる人工島の12カイリ内に派遣します。
これに対して中国は何もできず、遠く離れた後ろをついてくるだけでした。
こんなものです。
中国もバカではないので、駆逐艦「ラッセン」1隻が航行したとは考えていません。
海の中には、かねてより米原潜がひそんでいたであろうし、いつでも中国に攻撃できるように、世界最強の第7艦隊が戦闘体制に入っていたのは当然です。
要は、中国の軍事力は口先だけで、さほどではありません。
むかしの「戦争」とは異なり、現代戦は数だけで勝てるものではないし、兵器の性能をふくめた電子ネットワークや経験において、アメリカが最強であるのはもちろんのこと、憲法上の制約はともかく、日本が本気で海空で防御すれば自衛隊のほうが中国軍に勝つというのは、軍事に精通した識者の共通の見解です。
日本人もそうですが、世界が信じてはいけない「日中韓」を表わした言葉があります。
  日本人…「できません」
  中国人…「できました」
  韓国人…「できます」
あくまでも平均してですが、的を射た表現です。
中国は「戦わずして勝つ」戦略もそうですが、宣伝戦やイメージ戦略で、中華思想の国らしく自らを「肥大化」してみせて、覇権を達成しようとしています。
真偽の検討は必要ですが、まともに信じたら、その時点で“負け”なのです。

One-Point ◆ トランプは軍隊経験をもちません。ですが退役軍人とのコネクションがあります。現在、閣僚人事を進めている最中ですが、国防長官に反オバマの急先鋒、マティス元中央軍司令官(退役海兵隊大将)、安全保障担当補佐官にフリン元国家情報局長(退役陸軍中将)の2人を指名して、確かな「情報」をえています。事実、トランプはアメリカ・ファーストです。中国を恐れていません。12月4日のツイッターでは、「中国は、南シナ海の真ん中に巨大な軍事施設を建設していいかと尋ねたか?」と書いています。


《 就任直後のディレクション 》

何度も書きますが、トランプは双子宮生まれ(太陽)で、上昇星が「火星」です。
なので、言葉での交渉術に長けています。
その点、「言うだけ番長」と揶揄されたオバマは、双子宮の「月」ですし、習近平も双子宮の「太陽」の可能性が高いので、政治の世界はとくに彼らの言葉に惑わされると、“真実”を見誤ります。
お話を「星のディレクション」に戻します。
大統領選に勝利した翌日の2016年11月9日〜12月19日まで、トランプの象徴星「火星」と「天王星」が交歓(ミューチュアル・リセプション)をとりました。
そのディレクションを受けて、トランプは本領を発揮、12月12日現在、果敢に仕掛けまくっています。
そういったトランプの姿勢に、イギリスも日本に飛来中の最新鋭戦闘機「タイフーン」を南シナ海に飛ばし、将来的には空母までも派遣すると声明を出しました。
さらにはオーストラリアも、トランプ政権下では参加すべきと声をあげてます。
また、当事者のベトナムやインドネシアも、南シナ海での攻勢に打って出ました。
アメリカ大統領が強気の姿勢を見せるだけで、南シナ海をとりまく「秩序」が一変しつつあります。
これらは、もって生まれたトランプの「勝負師」として生き方の象われです。
トランプに対するトランシットの「火星」と「天王星」のディレクションは、大統領選当選後だけで終わりません。
正式に大統領に就任する来年2017年1月20日(現地時間)の翌日、トランシットの火星が「牡羊宮」の影響圏に入ります。
「牡羊宮」というのは、「火星」自らの共鳴サイン(宮)です。
当然、自分の生き方や個性を発揮できる「運勢期」をえることになり、ポテンシャルもボルテージも上がります。
その1週間後の1月28日には、正式に火星は牡羊宮に入宮します。
もう一方のトランプの象徴星「天王星」は、すでにここ数年来、牡羊宮をトランシット中で、日米をはじめ世界に対して「新兵器の開発」などのディレクションをもたらしています。
火星を「上昇星」にもち天王星とともに「象徴星」とするトランプに、大統領就任式直後の牡羊宮の「火星」と「天王星」が何を意味するのかと申し上げますと、“戦闘開始”です。
トランシットの火星は3月10日まで、約50日間ほど「牡羊宮」を運行します。
この間、トランプは大統領に就任して最初の「真骨頂」を発揮するディレクションを受けることになります。

One-Point ◆ 「トランプ新時代」のはじまりです。「アメリカ・ファースト」に対して、日本をふくめ世界も「自国ファースト」を主張する時代です。お互いに国家の“個性”を発揮し、友愛精神(和、絆のこころ)をもって外交交渉をしていくことになります。自由民主主義社会の日本は、そのさい国民の自覚と意識が重要です。自立しつつ相手を尊重する宝瓶宮時代の生き方が「運勢」を呼び込みます。むろん、そういった国際ルールを守らない、いわゆる「無法国家」は、次第に運勢をなくしていきますが、それまで粛々かつ毅然と法(ルール)によって対処することになりす。




【↑上に戻る】

※当ページの内容は著作権法により保護されております。無断使用はご容赦お願い申し上げます。

Copyright(C) 2005-2016 Aquariun Astrology - Seiji Mitoma All rights reserved.