宝瓶宮占星学 ―宝瓶宮時代の新しい西洋占星術―

ホロスコープ・リーディング
基礎から学ぶホロスコープ
第11回:アスペクトと共鳴関係

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アスペクトを理解するとホロスコープがみえてくる

先回の「第10回:アスペクトのダイナミズム」では、少しスパイスを効かしておきました。
まだお読みでない方は、このページをご高覧になる前に目をお通しください。
今までの西洋占星術では教えてもらえなかった気づきがあるはずです。


●第1稿 : 2011年 3月12日アップ

《 西洋占星術の「吉凶解釈」 》

西洋占星術の「吉凶解釈」は、単に誤りであるばかりではなく、信じ込んでしまうと、「対立的価値観」に支配され、人間性を悪化する危険性さえ生じます。
この一文を読まれて、もし「ムカッ!」ときた方は、このページをお読みになる必要はありません。
これまでは「是」とされていた「吉凶解釈」も、宝瓶宮時代が始まった1989年以降になると、時代の波動(運勢)に合わなくなってしまいます。
既存の西洋占星術の解釈や理解が、頑迷に頭にこびりついて、いっぱいになっている場合、このページを読まれても多分、反論するばかりで理解は難しいのです。
お互いに時間のムダです。
どんなことにせよ、既成概念に固執することは、歴史をみればいつの時代にも起きてきた当たり前のことです。
海王星発見時のエピソード一つをみても、それがいえます。
イギリスの天文学会もフランスも、計算上で導かれた第8惑星の存在を当初は受け入れることができませんでした。
結局、その後、新たに観測を依頼されたドイツのベルリン天文台のガレによって、計算上の位置にある青い星が、実は惑星であることが確認されます。
こうして海王星は発見されました。
部分的にでも客観性を持っていれば、受け入れる余地ができ、冷静に検討する可能性が出てきたはずですが…。

One-Point ◆ 前置きが長くて申し訳ありません。「吉凶解釈」を信奉する西洋占星術の方々は、「善・悪」「好き・嫌い」「勝ち・負け」の対立二元論で我知らずに判断されやすいので、東洋占術の方も指摘しているように、どうしても対立的に対応しやすいのです。蟹宮を上昇宮にもつ気の弱い私は尻込みしてしまいます。もっとも、月は牡羊宮なので、水瓶宮の太陽によって友愛は望みますが、危機には対応します♪


キャンパナス・ハウスシステム

●キャンパナス・ハウスシステムと新レジオモンタナス・ハウスシステムは、姉妹のような関係です。
最も異なるのは、カスプ(Cusp=尖点)をどこに置くかです。
レジオモンタナス・ハウスシステムは、プラシーダス・ハウスシステムやコッホ・ハウスシステムと同じように、境界線をカスプ(尖点)とします。
一方、キャンパナス・ハウスシステムは、カスプ(尖点)とカスプ(尖点)の中間を境界線とします。
逆にいえば、境界線と境界線の中間にカスプ(尖点)を置きます。
つまり、ハウス(室)の中間が最も象意が強いとします。
一理がなくはないのですが、ASC(上昇点)やMC(南中点)をどこに置き、「上昇星」をどう定義して解釈するかという問題が生じてきます
だったら、素直に(新)レジオモンタナス・ハウスシステムのほうが、まだ整合性がとれているといえます。

《 アスペクトとカスプ(Cusp=尖点) 》

失礼しました。ここからが本題です♪
これからのホロスコープ・リーディングは、アスペクトの理解が重要です。
西洋占星術の主流である「サイン(宮)やハウス(室)に星がある場合」といった解釈も、実は「アスペクト」だといえなくもありません。
例えば、「牡羊宮に太陽がある場合は○○」とか、「第1ハウス(室)に月がある場合は○○」といった解釈も、実は牡羊宮と太陽が合(コンジャンクション=0度)、第1ハウス(室)と月が合(コンジャンクション=0度)と解釈しているのに等しいのです。
そのさいのポイントは、2つ。
第1のポイントは、カスプ(Cusp=尖点)の理解です。
「牡羊宮」といっても、30度の幅があります。
サイン(宮)は、時間的にとらえた12区分を意味します。
一方、ハウス(室)は、実は、空間的にとらえた12区分というのが正解で、すべてのハウス(室)も30度の幅を持っています。
かといって、イコール・ハウスが正しいといっているわけではありません。
ホロスコープは、サイン(宮)である「時間」と、ハウス(室)である「空間」によって構成され、さらにはアスペクトという「共鳴関係」と、「実体」を持つ星によって成り立っています。
このとき、星とアスペクトは、基本3数のうち3数の「人間(関係)」に相応します。
話を戻して、サイン(宮)やハウス(室)の中で、最も象意が強い場所がカスプ(Cusp=尖点)です。
「カスプ」といえば、西洋占星術では「境界線」と通常、訳されますが、厳密にいえば間違いです。
サイン(宮)やハウス(室)の中で最も象意が強い「尖点」がカスプ(Cusp)です。
キャンパナス・ハウスシステムでは、カスプ(尖点)は、ハウス(室)の真ん中に位置します。
ただ、多くのハウスシステムが境界線をカスプ(尖点)に定めているために、プラシーダス・ハウスシステムも、コッホ・ハウスシステムも、レジオモンタナス・ハウスシステムも、カスプ(尖点)といえば「境界線」と同義語になるというだけです。

One-Point ◆ カスプ(Cusp=尖点)で急に0から100%、絶壁のように象意が強まるわけではありません。キャンパナス・ハウスシステムを除き、基本的にはカスプの5度前から象意が強まっていくのが一般的です。例えば、魚宮の25度から30度(牡羊宮0度)は、魚宮であり牡羊宮の象意を併せ持ちます。これは他のサイン(宮)やハウス(室)でも同じです。


占星点(Astrological Point)とは

●星が象意を持つのは、ご存じのとおりです。
ホロスコープには、星のように実体がないにもかかわらず、ドラゴン・ヘッド(Dragon Head=竜頭)やドラゴン・テール(Dragon Tail=竜尾)、また4つの基本点(Angle)などのように、象意を持つポイントがあります。
それらを、「占星点(Astrological Point)」と呼びます。
「基本点」以外の、各ハウス(室)のカスプ(Cusp=尖点)も、弱いながらも、占星点に当たります。
基本点(Angle)というのは、ASC(上昇点)、IC(北中点)、DES(下降点),MC(南中点)のことで、特に象意の強い4つのアンギュラー・ハウスのカスプ(Cusp=尖点)を指します。
※西洋占星術には、いつからか「感受点(Sensitive Point)」という言葉があるのですが、「心理占星術用語」としてはともかく、一般的には「支配・被支配」に基づく表現で、ふさわしくありません。

《 カスプとアスペクトの実際 》

サイン(宮)と太陽の関係でいえば、30度の幅を持つサイン(宮)のうち、最初の0度、すなわちカスプ(Cusp=尖点)に太陽がある場合、最もジャストの合(コンジャンクション=0度)のアスペクトをなしていることになります。
そのサイン(宮)らしさを、最も純粋に象わす位置になるわけです。
逆に、例えば、牡羊宮の29度に太陽があれば、牡羊宮ながら、次のサイン(宮)である牡牛宮らしさが、かぎりなく出てくることになります。
実際、年を経るほど、その傾向は強まり、牡羊宮よりも牡牛宮のほうが強く現われたりすることもあります。
もちろん、原則的にということであって、他の占星要素をまったく考慮しない場合のお話です。
実際には、他の星や占星点(Astrological Point)など、他の占星要素との共鳴関係を正しく読み解かなければ、どのホロスコープであっても牡羊宮0度の太陽が最も牡羊宮らしいとリーディングすることはできません。
また、牡羊宮29度の太陽であっても、それが上昇星であったり、火星と強い共鳴関係にあれば、やはり牡羊宮らしさは案外と強く現われてきます。
書いている意味は分かりますか?

One-Point ◆ ホロスコープは、数々の占星要素が複雑に絡み合い、幾多の共鳴関係を築いています。この複雑多様な共鳴関係とその強弱や内容を読み解いてリーディングしていくのが、宝瓶宮占星学の「共鳴リーディング」です。アスペクトは、その中で最も強く象意を左右していますので、あいまいなアスペクト理解で正しいホロスコープ・リーディングは難しいのです。

《 アスペクトによる共鳴関係 》

第2のポイントを述べます♪
例えば、「牡羊宮に太陽がある」ということは、その太陽は、牡羊宮と合(コンジャンクション=0度)ということはもちろん、天秤宮とは衝(オポジション=180度)という意味を持ちます。
また、山羊宮を上方矩(アッパー・スクエア=90度)に持ち、蟹宮を下方矩(ロウアー・スクエア=90度)に持つということです。
さらには、獅子宮や射手宮とは、三分(トライン=120度)のアスペクトの象意を持つということを意味しています。
それが「牡羊宮の太陽」という象意の総合的な内容です。
ご理解できますか?
もう少し砕いていえば、「牡羊宮」というのは、「山羊宮」を上方矩(アッパー・スクエア=90度)、つまりはMC(南中点)に持つような象意があるということです。
それゆえ、牡羊宮には「責任感(山羊宮)」などの象意が表面に出てきます。
それが牡羊宮本来の象意と合わさることによって、「リーダーシップ」や「フロンティア精神」のような「先導力」につながります。
西洋占星術のように、各サイン(宮)や各ハウス(室)をバラバラにとらえ、個々に無関係の象意を持つと解釈するのは、実は双魚宮時代の「対立二元論」の考え方です。
「すべては共鳴することによって存在している」というのが、宝瓶宮時代の新たな真実であり、「共鳴関係論」がこれからの人類歴史のパラダイムになります。
それが時代の波動、運勢です。
この「共鳴関係論」によって、「共鳴リーディング」を行なわなければなりません。
アスペクトによる位置関係によってサイン(宮)やハウス(室)を見直すと、そのサイン(宮)やハウス(室)が本来持っているオリジナルな本意(本当の象意)を見抜くヒントになります。
話がそれましたので、アスペクトにお話を戻します。

One-Point ◆ 西洋占星術は、個々の占星要素を独立した別個のものととらえがちです。確かに「個」の部分がなくはないのですが、むしろ他の占星要素との関係の中で、実際の象意となって現われています。宝瓶宮占星学の基礎理論の一つである「配列法則」の考え方がここにあります。


「アッパー」と「ロウアー」の違い

●本文に書けませんでしたので、ここに書いておきます。
同じ矩(スクエア=90度)でも、ホロスコープによっては、上方矩(アッパー・スクエア=90度)と下方矩(ロウアー・スクエア=90度)では、まったくといってよいほど、象意が異なる場合があるので、注意が必要です。
三分(トライン=120度)の場合も、矩(スクエア=90度)ほど強くはないのですが、やはり上三分(アッパー・トライン=120度)と下三分(ロウアー・トライン=120度)では、解釈や象意に違いが生じることがあります。
そういったことを無視して、単純にすべてを「吉座相」または「凶座相」で占断したり、ハード・アスペクトのみしか使わないのは、あまりに危険すぎます。

《 ホロスコープによって異なるアスペクト 》

次に移らせていただきます。
同じアスペクト、例えば同じ矩(スクエア=90度)でも、ホロスコープ(天球図)の種類によって、アスペクトの解釈(象意)は多少なりとも異なるという事実があります。
例えば、個人をリーディング(占断)するホロスコープは、3種類あります。
ネイタル・ホロスコープ(出生天球図)をラディカル(根本の)ホロスコープとして、星の動きからリーディングするトランシット・ホロスコープ(未来天球図または経過天球図)や、相手のホロスコープ(出生天球図)とのかかわりをリーディングするシナストリー・ホロスコープ(相性天球図)です。
このほかにも、事件や事故、また社会や政治経済などをみるホロスコープもあります。
西洋占星術では、アスペクトを単純に「吉座相」と「凶座相」とに分けて、すべてのホロスコープで同様に解釈しようとします。
単純すぎません?
実際は、例えば、同じ矩(90度)で本意は変わらなくても、ホロスコープの種類によって適用は一様ではなく、それぞれのホロスコープによって多少なりとも解釈(象意内容)は異なります。
それをネイタル・ホロスコープ(出生天球図)でも、トランシット・ホロスコープ(未来天球図)でも、シナストリー・ホロスコープ(相性天球図)でも、矩(スクエア=90度)だから「凶」、と一律的に占断すると確実に間違います。
それで当たることもあるので、気づかないだけです。
あえて、「吉凶解釈」が比較的ながら通用するのは、シナストリー・ホロスコープ(相性天球図)です。
相性は、多くの場合、「合う・合わない」「好き・嫌い」といった「吉凶解釈」と同じ対立二元論で占断できることが多いために、案外と「吉座相」「凶座相」の解釈が通用します。
西洋占星術で「相性判断」が優れている理由は、こんなところにあります。
ただし、100%ではありません。

One-Point ◆ 具体的には書きませんが、強い克己心を備えた一流のスポーツマンなど、精神レベルが高い人の場合、必ずしも「吉凶判断」だけの相性では図れない側面が出てきます。それは、星の象意と人間の意志とが、どのように関わっているのかを知れば、当然のように見えてくるものです。


ご参考:天王星が牡羊宮に入宮

●天王星は、本日2011年3月12日、牡羊宮に入宮しました。
今後は、本格的に牡羊宮をトランシットしていきます。
昨年2010年5月28日に、いったん牡羊宮に入宮した天王星は、その後、逆行して魚宮に戻っていました。

《 アスペクト理解の一例 》

このページは、「レクチャールーム」ではないので、少し書きすぎているかもしれませんが、『西洋占星術と宝瓶宮占星学によるホロスコープ・リーディング入門講座』 をご購入された皆様のご参考にもなるので、続けて書いておきます。
西洋占星術に詳しい方ならご存じのとおり、「吉座相」「凶座相」という表現内容は、日本独自のものです。
英語では、次のように表現します。
「吉座相」は、ソフト・アスペクト(Soft Aspect)、またはイージー・アスペクト(Easy Aspect)です。
「凶座相」は、ハード・アスペクト(Hard Aspect)、またはディフィカルト・アスペクト(Defficult Aspect)です。
5つのメジャーアスペクトのうち、三分(トライン=120度)と六分(セクスタイル=60度)は、「吉座相」に分類されるのは、ご存じのとおりです。
一方、矩(スクエア=90度)と衝(オポジション=180度)は、「凶座相」に分類されているのも、ご存じのとおりです。
合(コンジャンクション=0度)は、吉凶両方の意味を持つとされるか、または「吉星」か「凶星」、どちらの星が合(コンジャンクション=0度)をなすかによって、「吉座相」か「凶座相」かになるとしています。
もちろん、すべて間違いです。
宇宙の存在に「吉・凶」「善・悪」はありません。
あったら宇宙はとっくに滅びています。
少なくとも、星の象意に「吉・凶」はなく、その結果は人間自身の対応によるものです。
また、英語の表現が正しいというわけでもありません。
強いて、どの表現が正しいアスペクトの解釈に近いかといえば、「イージー・アスペクト」と「ディフィカルト・アスペクト」には一理があります。
何がイージー(容易)で、何がディフィカルト(困難)かということです。
頭に「活かすのが…」をつけると、いくらか実用的な解釈になります。

One-Point ◆ 「活かすのが容易なアスペクト」が、三分(トライン=120度)と六分(セクスタイル=60度)です。「活かすのが困難なアスペクト」が、矩(スクエア=90度)と衝(オポジション=180度)です。比較的にということです。比較的ながらも後者は、活かせば強力なパワーに転化することが可能です。それを「凶座相」と思い込んでとらえてしまうと、可能性を潰すことになります。「運勢」をなくす解釈になってしまうのです。それは避けなければなりません。



※宝瓶宮占星学の基礎理論である「数理法則」によるアスペクト理解もご紹介する予定でしたが、分量を超えましたので、別の機会に譲ります。ホロスコープ・リーディングで最もダイナミックで重要なのがアスペクトです。ハウス(室)解釈と並んで西洋占星術の弱点がここにあります。「共鳴」に関わるために、西洋占星術では最も解明に困難が伴う部分です。



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