宝瓶宮占星学 ―宝瓶宮時代の新しい西洋占星術―

ホロスコープとサインの真実
―宇宙の創成と人間の成長―

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先のページで述べた「宇宙胎内システム」はご理解いただけましたでしょうか?
それはバックボーンというだけでなくホロスコープの解釈に関わるものです。

ホロスコープに隠された「成長」と「創造」のプロセス

ホロスコープ・イメージ

●第1稿 : 2008年03月15日アップ
●改訂稿 : 2008年05月21日アップ

西洋占星術(学)でリーディングや占断を行なうとき、ホロスコープを構成するサインやハウスは、なぜ必要なのでしょうか?
サインやハウスの象意を考える前に、どういう理由でホロスコープに配置されているのか、まず、そういった基礎を理解しなければなりません。

《 ホロスコープは何を象わすのか? 》

まず、最初にお断りしておきます。
このページは一般向けではなく、占星学研究のページです。初めての方には少々とっつきにくい部分があるかもしれません。ゴメンナサイ。(笑)
皆様は、ホロスコープ(天球図)は何を象わすと思われますか?
なぜ、サイン(宮)やハウス(室)があって、それぞれに12個ずつホロスコープに区分されているのでしょうか?
ホロスコープは春分点を基点(0度)に、太陽は1度、月は100度、木星は200度といった360度表記でもよいのではないでしょうか?
なぜ、わざわざ12サインや12ハウスにホロスコープを分ける必要があるのでしょうか?
そういったサインやハウスの存在理由を明らかにしておかないと、ホロスコープがいったい何を象わすのかといった基本が分からず、正しい占断や解読から遠のいてしまうと思いませんか?

One-Point ◆ 当たり前でしょ? でも、西洋占星術ではほとんど触れられていません。最初からホロスコープありき、サインやハウスありき、で存在自体の意味を問うた記述を見たことがありません。アタマから信じているのです。「えっ? 西洋占星術って宗教でしたっけ?」ってな具合です。あなたも、そういう西洋占星術師や西洋占星術研究家の「信者」になりますか?(笑)


「constellation=座」と「Sign=宮」

●サイン(宮)のことを、日本では、よく「〜座」と呼びます。正しくは「〜座」ではなく「〜宮」なのですが、あまり使われていません。それは西洋占星術研究家の怠慢です。
翻訳家や西洋占星術研究家なら「座=Constellation」と「宮=Sign」の違いは充分に知っているはずです。
一般の翻訳家や西洋占星術師が、慣用によって「〜座」を使うならまだしも、まがりなりにも「西洋占星術研究家」を名乗り、肩書きにする輩が、未だに「〜座」を使い続けているのは、たとえ名が通っている西洋占星術研究家であっても、どこか信用できないのです。

《 ホロスコープの基礎理論を忘れた西洋占星術 》

基礎となる理論がないことは、西洋占星術が混迷する原因の一つになっています。
宝瓶宮占星学は、「数理法則」や「序列法則」といった基礎理論を立てて、その上で、さまざまな解釈を行います。
ですから、ホロスコープのサインやハウスが何を意味していて、どういう序列で並んでいるのか、そういったことから根本象意が見えてきます。
このページでは、基礎理論にまでは筆は及びませんが、前ページの「宇宙存在―人の生きる理由」に関連して、サインやハウスの一端を明らかにしてみましょう。
まず、黄道13星座と12サイン(宮)について、皆様にお伺いします。
なぜ、ホロスコープにおける12サインは、牡羊宮 → 牡牛宮 → 双子宮 → …… → 魚宮と、順番に配置されているのでしょうか?
「簡単だよ。空を見ろ! スーパーマンだ! あっ間違えた、おひつじ座、おうし座、ふたご座……と12星座が順番に並んでいるではないか!」
ブブーッ!
ザンネン! それでは分かっていることになりません。
太陽の通り道である黄道には、13の星座があります。さそり座の隣に「へびつかい座」を加えた黄道13星座が現在の星座の本当の姿です。
IAU(国際天文学連合)が、1928年の第3回総会でそう決めたのです。だからといって、西洋占星術に「蛇使宮」はありません。
星をつなげた13星座と、ホロスコープの12サイン(宮)は、まったくの別物だというのは、もはや常識です。

One-Point ◆ 信じられませんか? 英語の表記を見れば、違いは最初(ハナ)から明らかです。夜空の星座は「 constellation 」。ホロスコープのサイン(宮)は「 Sign 」です。英語圏の人や翻訳者なら違うことは誰でも知っています。両者を一緒にすると、「13星座占い」が正しいことになってしまいます。星座とサイン(宮)は違うことを知っていれば、「13星座占い」に惑わされることはなかったはずです。


神話と占星学(術)は関係がない

●星をつなげた星座が、ホロスコープの12サイン(宮)と関係がないことが分かれば、星座にまつわる神話も、12サイン(宮)とは関係がないのは当然です。
人間が勝手に作った「星座」や「神話」に、占星学(西洋占星術)上の根拠はありません。
西洋占星術にオカルト的な権威や神秘性を持たせようとして、神話と結びつけたのかもしれませんが、それは魚宮お得意の幻想です。双魚宮時代のロマン(夢=空想・物語)にすぎません。
ユング心理学を西洋占星術の根拠にするのと同じ間違いです。
「西洋占星術研究家」と名乗る人々は、何を研究しているのでしょうか? 基礎研究を怠って「神話」や「ユング」などロマンに浸らせて、「信者」をゴマかしているかのようですが…。

《 ホロスコープに秘められた宇宙の真実 》

以上の内容はご理解いただけましたでしょうか?
ご理解いただけた方のみ、続けてご高覧ください。
ホロスコープ(天球図)が何を象わすかということのヒントは、ホロスコープには、宇宙と人間存在の本質とに関係すべき何かがあるということです。
分かりますか?
ホロスコープをリーディング(解読)することによって、人間の性格や運勢のみでなく、人間社会の出来事や人類歴史までもが(手に取るように)読み取れるってことですよね?
それが西洋占星術の基本スタンスでしょ?
違います?
なぜ、個人が生まれた瞬間の星の配置から、その人の人生に関わることが読み取れるのでしょうか?
それだけでなく、このサイトの随所に書いたように、プラトン年といった宇宙的周期による時代区分から、人類歴史の方向や各時代の価値観といったものまでもが、なぜ読み取れるのでしょうか?
お考えください。
皆様が信じている「西洋占星術」の根本に関わる命題です。
その理由は、皆様がどこまでご理解しているのか分かりませんが、ホロスコープには、宇宙の真実(宇宙哲理)が秘められているという紛れもない事実です。
双魚宮時代の人間の優れた直感は、そのことを感じ取っていました。
それゆえに、皆様も、なぜか西洋占星術に魅力を感じ、なんとか解き明かそうとしているのではないでしょうか?

One-Point ◆ ホロスコープに宇宙の真実(宇宙哲理)が秘められていることを、感性が高い人々は知っているのです。ただ、自覚や論理的な認識ができないのです。それゆえ、西洋占星術は、ああでもない、こうでもないと混迷を深めざるをえません。西洋占星術を育んできた双魚宮時代は終わりました。「真実」が明らかになる宝瓶宮時代を迎えているのです。

《 宇宙胎内システムとホロスコープ 》

さて、ここで一つの答えを書きましょう。
それは、前ページで書いた「宇宙存在―人の生きる理由」の中にあります
人間を中心に宇宙の存在様相を見たとき、「宇宙胎内システム」の連鎖の中で人間は守られ、存続し、成長をうながされていることが分かります。
それは、「人は、何のために生きるのか?」といった古来からの哲学的命題に対する宝瓶宮占星学からの回答でもあります。
重要なので、ポイントを再度、掲載しておきましょう。

人間は、まず母親の「胎内」の中で守られ、存続し、生まれ出るまで十月十日(とつきとおか)の時間をかけて成長します。
オギャーと生まれた人間は、過酷な宇宙の中で、地球という「胎内システム」の中で守られ、存続し、成長していきます。
人類全体をみても、同様に地球(胎内)の中で存続し、歴史を刻み、人類社会制度を成長させていきます。
それだけではなく、地球自体も太陽系という「胎内システム」の中で守られ、存続し、現在のように成長してきました。
太陽系自体も、天の川銀河系という「宇宙胎内システム」の中で守られ、存続し、成長(形成)してきたのです。
大宇宙の中では、天の川銀河系自体も守られ、存続し、成長(形成)してきたということは、想像にかたくありません。
そして、人間にとって重要なことは、自分の肉体という「胎内システム」の中で、自分の心(魂)を守り、存続し、成長しているという事実です。

人間は、「宇宙胎内システム」の連鎖によって存続することが可能になっているのです。
何のためかというと、すべては「成長」するためです。
こういうことが分かれば、答えは簡単です。
宇宙は、人間が存続し、成長するために実在しているという真実の一端が見えてきます。
少なくとも、人間から宇宙実在の様相を見たときに、そう結論せざるをえないのです。
ならば、宇宙の存在様相を写し取ったホロスコープ(天球図)の中に、何らかのカタチでそういったことが示されているのではないでしょうか?
それが、ホロスコープにおける12サイン(宮)であり、12ハウス(室)です。

One-Point ◆ ご理解できますでしょうか? 宇宙がそのような仕組みになっているため、ホロスコープの中にも「宇宙胎内システム」の意図が象わされていることを述べているのです。ホロスコープの中に「成長」がシンボライズ(象徴化)されていなければなりません。


※余談ですが…。

●面白いことに、日本の新興宗教の中に「生長の家」と「創価学会」という教団名があります。
教理や教義についてはまったく知らないのですが、生長と成長と文字が違うとはいえ、成長や創造は、右の本文に書いたように、人間の生きる意義の両面を表わしています。
「生長」(植物は生長、人間は成長ですが…)は、個人的なものゆえに「〜の家」と名づけたのでしょうか? また「創価」はより社会的な価値の創造なので「〜学会」と名付けたのでしょうか?
真意は知りませんが、単純に面白いと思いました。

《 成長と創造のプロセスとサインやハウス 》

最後に、12サイン(宮)や12ハウス(室)について簡単に述べておきます。
「宇宙胎内システム」の中で「存続」と「成長」のために、もう一つ行なわれている重要なファクターがあります。
それが「創造」です。
創造というのは、新しい価値の生成を意味します。
個人においては、成長のもう一つの側面であり、「性」の本質でもあります。
クローン人間がどこまで可能なのか分かりませんが、女性の胎内(子宮内)において受精が行なわれ、新しく人(価値)が生まれ(創造され)ていきます。
生まれた人間は、自らを成長(価値を付加)させ、全体として社会価値を創造していきます。
成長とは、自分自身、そして社会における「変化」を意味します。
一見すれば、トラブルや試練に思える人生上の「変化」も、成長と価値の創造にその本義があることに気づかなければなりません。
さらに、お気づきいただきたいことは、成長や創造には、時間が必要だということです。
決して、一足飛びに成されるものではありません。
そうご理解いただければ、時とともに動いていく星の配置が、何らかの成長の側面を象わし、また、ホロスコープの中に成長や創造を象わす何らかのプロセスが隠されているのではないか? ということがお分かりいただけますでしょうか?
それがホロスコープの12サインや12ハウスだということです。

One-Point ◆ 詳細は後日に譲るとして、成長や創造には、段階的なプロセスが必要です。サイン(宮)やハウス(室)はその象徴です。どこまで成長や創造が成されるかは、人間自身にかかっています。そういうことが分かれば、占断は西洋占星術のように単に吉凶判断で終わるものではなく、成長や創造を認識したリーディングを行なわなければ正しい理解にならないことがみえてきません?

※2009.10付記:前宣伝兼用「『入門講座』(PDF版)のご案内」をアップしました。

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