宝瓶宮占星学 ―宝瓶宮時代の新しい西洋占星術―

宝瓶宮占星学と宇宙哲理
―宇宙存在の基本法理―

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宝瓶宮占星学は何を根拠にしているのか?

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●第1稿 : 2007年06月21日アップ
●改訂稿 : 2022年03月27日アップ




過去の栄光を忘れて、前に進む

●かつての占星学は、天体観測と高度な数学を持ち、たしかに当時の最先端科学でした。

だからといって、現代、高度に天文学や科学意識が啓蒙されているのに「西洋占星術は科学だ」というのは、滑稽でしかありません。

昔に戻るのではなく、新しい宝瓶宮時代(ほうへいきゅう じだい)にふさわしく、新しい西洋占星術の哲理を確立することです。

「西洋占星術は科学である」というのは強弁であって間違いです。

それは現代西洋占星術が成り立っている構造を見れば自明のことです。

現代占星術は「占い」にほかなりません。

これに対し、宝瓶宮占星学のどこがどう違うので「実学」といえるのか、その基礎をご紹介したいと思います。

《 西洋占星術の本質と基本構造 》

アマチュアや専門家の中にも、現代占星術に関する誤解が多いようです。

その最たる原因は、「天文学」と「占星学」の線引きを理解していないからでしょう。

理由を書いておきます。

天文学は、「観測天文学」「理論天文学」を問わず、物理法則などを扱う「科学」です。

一方、占星学は、自然科学の枠組における「科学」ではありません。

星が人間の性格や運勢に影響するというのは、自然科学の範疇(はんちゅう)では扱っていないからです。

では、人文科学の枠組みにおいてはどうでしょうか?

残念ながらそれも同様です。

ということで、現代(西洋)占星術は「科学」ではなく別物です。

なぜ「科学」だと誤解するのかというと、現代占星術には「位置天文学」(観測天文学)という「科学」がベースに必要だからです。

天文学(科学)によって星の位置を正確に割り出すことが大前提であるため、それに乗っかった現代占星術も「科学」だと誤解しているのです。

ところが、その先のホロスコープの解釈になると、「科学」はいっさい関与しません。

One-Point ◆ 不思議なことに、素人よりも現代占星術の一部アマチュアや職業的専門家のほうが「科学」だと強弁します。そういう人々は、客観的な見識のない人か、よくありがちな自分の専門分野しか見えない人か、主観的な思い込みの強い人です。


ホロスコープの科学認知は無理

●40〜50年ほど前に、生理学の分野で太陽と月の関係をもとに、受胎日や出生児の性別のデータがとられたことがあります。

一説では、かなりの高確率になったようですが、未だに科学的認知には至っていません。

それも当然です。

太陽と月だけで鑑定しても、不完全な占断しか得られないのと同じ理由です。

ホロスコープから読み取れるすべての可能性を考慮して、そのうえで科学的な客観的結果(データ)を出すには、全人類人口以上のサンプル数が必要です。

これって、「無理!」って意味です。

《「科学」には客観的なデータが必要 》

星や天体の位置を扱うところまでは「科学」。

その「科学」をもとに、ホロスコープを作成する時点から、西洋占星術は「占い」の世界に突入していきます。

ホロスコープを作成し、どう解釈するかということは、「科学」とは関係がありません。

よく言われるような「統計学」でも「心理学」でもありません。

「統計学」を少しでもかじったことがあれば分かるはずです。

「心理学」も同じです。

星の解釈に関する客観的なデータや統計が存在することはありません。

「科学」というからには、誰もが認めうる客観性がなければなりません。

「心理学」においても、星と、人間の性格や運勢に関する客観的データや心理実験の結果はどこにも存在していません。

「心理占星学」も「科学」ではありません。

「心理学」がホントに科学か? というのも識者の意見が分かれているところです。

結局は、経験や主観による解釈をもって現代占星術を「科学」というのは強弁です。

つまり、現代占星術は、これまでの経験と推測(インスピレーション)の蓄積によって成り立っている「占い」にほかなりません。

One-Point ◆ わざわざこんな当たり前のことを書かなければならないほど、「西洋占星術は科学だ」と盲信している占星術信者がいるということです。このことを理解し、正しく世間に伝えておかないと、かつてのように「13星座占い」に惑わされ、踊らされてしまうのです。

「星座」はロマンだけに留めておく

へびつかい座

●「星座」を構成する星々は、広大な宇宙空間では、何の関わりを持ちません。

そういった「星座」を、神話やロマンで語るのはよいのですが、占星学的な意味は持たないのです。

かえってサイン(宮)の正しい解釈を誤らせます。

星座の由来を占星術に持ち込んだりして「科学だ」「心理学だ」とするのは、占星学の真実をロマンでたぶらかすキケンな行為です。

そういった名の売れた占星術研究家には注意しなければなりません。

………

と、書いた3日後に配布されたフリーペーパーの夏の星座特集で、「空の星座と星占いの星座とはつながりがあるのですか」という編集者のよい質問に、とある占い協会の副会長RW氏は、空の星座が象意を持つような回答をしてました。

これではアキマセン。(6/24付記)

《 黄道13星座でいいんじゃないの? 》

一説によると「13星座占い」は、イギリスの天文学者ジャクリーン・ミットン女史が、「黄道には13の星座がある。占星術も用いるべきではないか」といった旨の発言がきっかけだそうです。

「え? 夜空の星座が、占星術と何の関係があるの?」ということです。

国際天文学連合(IAU)が、1928年に定めた88星座のうち、黄道上には13の星座があります。

なので、黄道13星座と決められたのです。

しかし皆様、「星座」の科学的な根拠は何だと思われますか?

正解は、科学的な根拠はありません。

「星座」は、明るく見える星をつなげて、人間が勝手に作り出した空想(ロマン)の産物です。

そういう非科学的な星座を、なぜ国際天文学連合(IAU)が乗り出して、88星座にまとめ、境界線まで決めたのか?

それは、非科学的な星座であっても、決めておくと住所代わりに何かと便利なのです。

たとえば、「しし座流星群」といえば、人間が勝手に「しし座」と名付けたあたりに現われるということが分かります。

「しし座」という大星団や大銀河が実際に宇宙空間にあって、そこから降って湧いてくるものではないことは分かりますよね?

また、ホロスコープの獅子宮に流星群が現われるわけでもないのです。

ミットン女史に悪意があるとか、ないとか、そんな低レベルの話ではありません。

そういった何の根拠のない星座をもって、「西洋占星術も活用したらどうか」というのは、余計なお世話というだけの話です。

One-Point ◆ 「黄道」とは太陽が通る道筋のことです。太陽はへびつかい座の上を毎年12月1日〜18日ごろ2週間ほど通過します。ですから天文学的には、「黄道12星座」ではなく「黄道13星座」が正解です。だからといって「13星座占い」は西洋占星術とは関係ありません。ちなみに、ギリシャ初期の黄道13星座には、へびつかい座ではなくプレアデス(星団)が含まれていました。

唯一、占星学が科学である場合

●どうしても「占星学は科学だ」という場合、占星術を学問的に研究するという意味において「占星学(学術研究)」ということはできます。

もし、そうであれば客観的な研究に留めておいて、「占星学(学術研究)」の立場においては、「占断」はいっさい行なわないことです。

《 インスピレーションをなくした現代占星術師 》

ご理解できましたでしょうか?

星座は「星座」、占星学は「占星学」、まったくの別物です。

今日の現代占星術が確立されたのは、経験と推測(インスピレーション)の蓄積以外の何ものでもありません。

考えてもみてください。

かつては、夜空を見上げて、実際に星の位置を観測し確認していました。

そのとき星をつなげて、「星座」を命名しておくと、便利だったのです。

それはともかく、夜空(自然)には神秘(自存波:仮説)が満ち溢れています。

星空を観測し続けることによって、人の心(霊性や自存波)は、宇宙の自存波と共鳴し、人によっては優れたインスピレーションが湧いてきます。

それが双魚宮時代(そうぎょきゅう じだい)に古典占星学(術)また現代占星術が発達した大きな要因の一つです。

近年、天文学が発達し、天文暦が出版され、パソコンソフトが出回ることによって、星を観測する必要がなくなりました。机上で瞬時に星の位置を知ることができるからです。

しかし、便利さを手に入れることによって、自然(宇宙)から得られる大切なインスピレーションを失ったのです。

インスピレーションをなくした状況での不確かなデータ収集や解析は、もはや混乱をもたらすしかありません。それが昨今の混迷する西洋占星術の一因です。

One-Point ◆ 私が尊敬するルル・ラブア師の初期の著作『占星学の見方』(1974年初版)には、素晴らしいインスピレーション(霊性)が感じられました。今、読み返しても、内容はともかく、日本占星学の草分け的名著です。しかし、最後に上梓(じょうし)された『占星学』(1995年初版)からは、それが薄れてしまい、知識や技術の本になってしまいました。病床でたいへんだったのかもしれませんが、残念です。

ホロスコープに象われた不思議

●ホロスコープの中には、不思議なことに「宇宙の存在哲理」が片々と含まれています。

それが古代からの叡智であり、占星学に「真実」を感じて連綿と続いてきた理由の一つなのでしょう。

そういうことを潜在的に感じる占星術師や占星学研究家が、「占星学は科学だ」と信じるのかもしれません。

しかし、時代が早すぎますし、それが事実ではあっても「現代科学」の範疇ではありません。

それゆえに当サイトでは、客観的な「科学」や人生上の「運勢学」を超えて包括する"法則"として「宇宙哲理」と呼んでいます。

《 超科学的な宇宙の存在法則=哲理 》

では、宝瓶宮時代の新しいアストロロジー(通称:宝瓶宮占星学)は、これまでの占星術(学)とどこが違うので、「実学」を目指せるというのでしょうか?

そこに基本構造の違いがあるのです。

もし、宝瓶宮占星学が、「科学」でも「心理学」でも「占い」でもないとしたら、何に根拠をおいているのか、ということです。

「科学」も「心理学」も「占い」も、あらゆるものを包括するものが一つあります。

それが「宇宙」です。

不完全な人間心理などではありません。

宇宙銀河も太陽系も地球も人間も、占星学の基となるものは、すべて「宇宙」を因として発生してきたものです。

チリやガスといったものから数多(あまた)の星が生じ、星の中でも地球には植物や生命体、ひいては心(精神)を持つ人間が生まれました。

これが、無秩序で起こりえるでしょうか?

宇宙を貫く何らかの「存在(発展・消滅)の法則」があるゆえ、チリやガスといった素材から物質や生命体や精神が生じたと考えるしかありません。

また、それらは存在を終えると消滅し、また新しい発展をしていくのです。

アインシュタインの「E=mc」といった物理法則の話ではありません。

科学法則ではなく、その因にある「宇宙哲理」のお話です。

すべての事象の20%程度しか解明できていない現代科学では証明できない、超科学的な宇宙の存在法則です。

それゆえ「宇宙哲理」と呼ぶしかないのです。

不思議なことに、ホロスコープの中には「宇宙哲理」が象徴的に表われています。

この「宇宙哲理」をひもといて展開したのが、宝瓶宮占星学の基礎理論である「数理法則」や「配列・序列法則」、また「フレームワーク」という考え方です。

One-Point ◆ 解釈の基礎を「宇宙の存在哲理」に置くため、日常の生活やビジネスから運勢や人生上の目的はもちろん人類歴史にまで、幅広く応用展開が可能です。そのため、西洋占星術流にいえば、いろいろと占えるわけです。宝瓶宮占星学でいう「実学」への展開が可能になるのです。




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