宝瓶宮占星学 ― 宝瓶宮時代の新しいアストロロジー ―

火/土/風/水の四大元素説
― 近代科学によって“疑似科学”へ ―

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物理科学はともかく、現実宇宙は4つに区分できる


●第1稿 : 2022年 3月 7日アップ
リライト稿 : 2023年 8月15日アップ


八「いやーっ、暑()いね、熊さん」

熊「夏だもんな、八ぃ。あと四月もすればお正月だ。寒く()なるなぁ」

八「気が早えぇ! そうそう唇がいたりするっていうよなぁ」

熊「まったくだ、夏は逆に蒸し暑くて、じっとり湿って汗ばむしな」

なんて会話があったわけではありませんが、古代ギリシャの賢人たちは、この世界は「熱/冷/乾/湿」、基本的な4つの事象から成り立っていると考えていました。

《 熱冷乾湿/火土風水 》

熱い! 冷たい! 乾いている! 湿っている!

地上世界の事象は基本、四つに区分できるというのです。

で、この基本の現象は「なにゆえだろう?」と考えた結果、この世界は「火/土/風/水」の4大元素からできているとしたのが、当時、最先端の学問、古代ギリシャの世界観「四大元素説」でした。

笑ってはいけません。

約2,500年も前のお話です。

フィロソフィー(愛智、哲学)で知られる賢人たちが、この世界の成り立ちを真剣に模索した結果、世界は「熱/冷/乾/湿」の四大事象をベースに「火/土/風/水」からできているとする四大元素説だったのです。

One-Point ◆ これ以前、はるか昔から古代メソポタミアでは古代カルデア人たちが、優れた数学と天文知識とによって天体観測「ホロスコポス」(時の見張り人)を続けていました。

《 四角いホロスコープの発祥 》

天体観測「ホロスコポス」と、古代ギリシャの「フィロソフィー」とが結びついて、四角いホロスコープが生まれています。

「古典アストロロジー」の誕生です。

「火星が水平線に昇る頃に生まれた子どもは健康(元気)である」といった地上の人間との関係性を東の地平線上に昇る星を天体観測していた古代カルデア人は発見しました。

古代ギリシャ時代になると、東の地平線上に留まらず、全天を観測し、地上の1点との位置関係を写しとった四角いホロスコープが発祥します。

四角だった理由は、まだ丸い宇宙といった概念がなかったこともさることながら、「熱冷乾湿/火土風水」といった「四大元素説」によって解釈したからです。

それによって、個人の“気質”や“体質”などが分かり、治療などの医術に役立てることができたのです。

四大元素説

One-Point ◆ 「インド占星術」のホロスコープは今でも四角です。12サイン(宮)のはじまりも当時と同じで「サイデリアル方式」です。そのため「トロピカル方式」の現代占星術とは12サイン(宮)の位置が約1サイン(宮)分ズレています。


《 アストロロジーから占星術への変容 》

医学の父(祖)「ヒポクラテス」(BC460頃-BC370頃)は、次のように述べています。

「アストロロジーの知識のない者に医師を名乗る権利はない」

本当に言っているんです。

それほど、ホロスコープから個々人の気質や体質を明らかにして、罹りやすい病気などの診断ができた「古典アストロロジー」は実学でした。

ゆえに、アストロロジー(天体:Astro の学問=科学:logy)なのです。

それは過去のお話。

近代科学の発達によって、16世紀以降「四大元素説」は“疑似科学”(迷信)とされました。

ときの著名な天文学者ケプラー(1571-1630)は、学問として通用しなくなった古典アストロロジーを、四大元素説をベースとした「古典理論」を維持したまま、「古典占星術」に変えて、天文学研究の資金としたのです。

この「古典占星術」までは、古代ギリシャの「古典アストロロジー」のホロスコープ理論を奉持していました。

One-Point ◆ ところが、19世紀後半になると、その理論を完全に捨てて、結果的に「火/土/風/水」の言葉のみを残した「現代占星術」に変容しました。「古典占星術」の象意解釈のみを引き継いた純然たる“ホロスコープ占い”です。


ご参考:アラン・レオの功罪

●“現代占星術の父”と呼ばれるのがアラン・レオです。

彼は、19世紀後半の世界的な“心霊ブーム”(近代スピリチュアリズム:神秘主義)のなか、古典理論を完全に捨てて当たる/当たらないの“ホロスコープ占い”に、カテゴリー・チェンジさせました。

彼自身が「自分の解釈は“秘境占星術”(神秘占星術)だ」と述べているほどです。

もはや、アストロロジー(学)ではなく、当時の“心霊ブーム”に乗ってアストロ・ディビネイション(Astoro Divination:星占い)を立ち上げたのです。

「そうだったのか!」と理解しました。

かつて西洋占星術に心酔し、懸命に学びながらも、なぜ途中で「飽き足らなくなった」のか、その理由が“ホロスコープ占い”への変容にあったのです。

同じようにホロスコープを用いますが、本来の「アストロロジー」と、現代の占星術は別物だと理解できたのです。

もしかしたら、現代占星術は「アストロロジー」だと信じて案外と多くの方が“事実誤認”や“勘違い”をされておられるのかもしれません。

《 実際の宇宙は四区分できる 》

ここで一つご質問をいたします。

パルテノン宮殿

古代ギリシャの「古典アストロロジー」は、紀元前5世紀前後から15世紀まで、なぜ二千年間も続くことができたのでしょうか。

さらに、その後も「古典占星術」ながら、古代ギリシャ以来の“四大元素説理論”を奉持し続けてきたのでしょうか?

お答えは、物理科学によって“疑似科学”(迷信)とされましたが、宇宙この人間世界を含めて、四つに大きく区分してとらえるということに、一面の事実(真実)が含まれているからです。

宇宙この世界の根幹法則「基本三数」からもそういえます。

物理科学は確かに客観的な事実ですが、宇宙この世界は物質のみで成り立つものではないために結局、一側面にすぎません。

実際の宇宙(当サイトでは「クオリアル宇宙」)は、物質を超えた“宇宙波動”や“精神意識”など未知の側面もあって、基本的に大きく三つ、実際展開されると四つに区分することは、間違っていないからです。

One-Point ◆ 宝瓶宮時代の新しいアストロロジー(通称:宝瓶宮占星学)も同様です。今日、最先端の根幹法則「基本三数」3(4)数の“疑似版”が、古典アストロロジーの「四大元素説」だといったら皆さまは哄笑されるでしょうか。


《 新たな「実学」のはじまり 》

熊「何だか、いろいろあるなぁ、八よぉ」

八「まったくだよぉ。よく分からないけど、好きにしたらいいんじゃないの」

熊「そうだな、おまえも好きに生きてるもんな」

八「はいぃ。こりゃまった失礼しやした!」

なんて、どこの誰だか分からない八っあん熊さんの再登場です。

量子論(量子力学)など最先端物理科学を超える宇宙この世界の根幹法則「基本三数」(数理法則)を、ホロスコープの新しい解釈理論とした宝瓶宮時代のアストロロジーもまた「実学」として再登場です。

One-Point ◆ 確かに古代ギリシャの世界観「四大元素説」は、物理科学的には“疑似科学”でした。ですが、実際の宇宙この世界の四つの分野を、四大元素で象わし間違ってはいますが、それなりに示唆していたということです。




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